燈真の顔と差し出された手を交互に見やる。
緩んだ口許はそのままに、ぼくは燈真の手をとった。
それからは誰にも遭遇せず、無事に裏口から病院を脱出できた。
完全に病院を抜け出した近くには、優、優真、星奈の3人がいた。
最年長である優希はいつの間にかメンバーに優と呼ばれるようになっていた。
仲の良いことでなによりだ。
燈真もなんだかんだ言いながら、楽しそうだし安心した。
まぁそれはとりあえず置いといて、一華が来ないのだけれど。
「七瀬ちゃんは?」
同じことを思っていたのか、優と一緒に来た優真が星奈に聞いた。
「今既読ついたから、多分すぐ来ると思う」
携帯の画面を操作する星奈は、一華から来た返信を目で追いながらそう言った。
