「なんでいるの」
「たまたまだよ〜。おれにも用ってもんがあるの」
だったら僕の病室じゃなくて、用を済ませてくればいいのに。
どうしてこう、わざわざ2階にある病室まで来るのだろう。
やはりこいつは謎だ。
この場でこいつの脳内を見てみたい。
……という程興味はない。
「いつもここにいるの?」
「…そうだけど」
ふーん、と、聞いてきた割には興味がなさそうに部屋を物色し始めた。
何…なんなんだこいつ…。
「ほんとはさ、」
若干イライラしながら僕がベッドに腰掛けたと同時に、優真が口を開いた。
「こんなふうに過ごす価値、おれにはないんだよね。」
急にそんなことを言い出すから、遂に頭がイカれてしまったのかと思ってしまった。
だけどどうやら違うみたいで。
窓の外をどこか切なそうに見つめながら、また口を開いた。
「時期はこのくらいだったかな。小2だった妹と公園から帰ってたんだ。」
優真が中学校の生活に慣れてきた頃。
