暑苦しい秘密基地の中、全開にした窓から蝉の声が聞こえてくる。
「ちょ、待って。俺泣きそう」
「まさか燈真くんがそんな風に思ってくれてたなんて……」
など、多数声を頂いた。
一華なんて、涙目だ。
「ね、とーまくん。それほんと?」
「僕が嘘なんてついたことたある?」
ひょえぇ、おれも泣きそ〜なんて、優真は冗談なのか本気なのかわからないように目元を拭った。
まぁこいつの場合、本気だなんて100パー有り得ないだろうけど。
一方、病気のことを言えてほっとしている燈真の髪を、くしゃくしゃに撫で回した。
「ちょ、髪がぐちゃぐちゃになるだろ」
「いーじゃん」
子供扱いするなとにらむ燈真の髪を、気が済むまで撫で回した。
