「……なんでだろうね?」
そう意味深に笑うぼくを、燈馬は腑に落ちない様子で見ていた。
⋆ ・⋆
「じゃ、気をつけて帰るんだよー」
「自宅警備頼んだぞ、伊緒」
「へーい。優希も襲われんなよー」
「誰が襲われるか馬鹿」
「じゃ、また明日ね」
そう挨拶をして、どこかの小学生のように手を振りあって別れた。
5人の背中が見えなくなるまで、しばらく呆然としていた。
燈真もなんだかんだ言いながら、楽しそうにしている。…ような気がする。
優希も優真も、星奈も一華も燈真も。
みんな各々文句を口にするけれど、それさえも楽しそうで。
それが何より羨ましくて、目を逸らしたくなるほど煌めいていた。
