「あの…もう少し普通に見ることは出来ない…?」

「だったらなんでこんな傷あんの。先輩達をいじめてた奴に残せばよかったじゃん」



図星を差され、何も言葉が見つからない。

はは…とから笑いするしか無かった。

まぁでも、確かにぼくもそう思った。だけど…



「…だけど、星奈が言ったんだ。怖いって」



今にも泣きそうな顔をして。



「そしたら、勝手に体が動き出して。」



気づいたらこう、ぶしゅっといっちゃってたわけですよ。


まぁ、ぼくが言いたいことは自分たちを責めないで欲しかったんだ。


きっとおばさんに傷が残ったままだったら、星奈は自分のせいだと自分を責めたはず。

不思議な話。会って数日なのに、変な感情が生まれてしまった。



「…ねぇ、死んだらどうなるの」



救急箱を元の場所に戻した燈真が、なんの感情も読み取れない顔をして聞いてくる。


バチッと重なった燈真の瞳に、なんとも間抜けな顔をした自分が映っていた。


そんな質問をされているのに、不謹慎ながら誰かの瞳にぼくが映っているという現実に嬉しく思い、泣きそうになった。