「何よそれ!!」

「なんか疑問でも?」



そう大声で怒鳴り始めるパーマのおばさんと、至って冷静な星奈。


星奈って、静かに怒るタイプ?それはちょっと意外かも。


それを止めようと泣きそうな顔をした一華が「やめて…っ!」とお願いしている間に、ぼくは教室の後ろ側へと移動する。



「お前たち!何やってるんだ…!!」

「おぉ、教師まで来た」



「何やってるんだ…!!」と言う割には、なんとも頼りにならなそうな、よわーい男教師だった。

まぁたしかに、これはもうみんな手が付けられない状態。



「っ…痛い目見ないと分からないわけ?!」

「…合わせてみれば?」



それに怒ったパーマのおばさんが、思い切っきり手を振り翳した瞬間────────



「せーのっ…!」



ガッシャーン────!と、音を立てて崩れた花瓶。

星奈達に目を向けてみると、おばさんは手を振り翳したまま、何事かとこちらを見ていた。



「おし、それじゃ───────スタート!」



ぼくはそう言いながら、倒せるものは倒し、壊せるものは壊した。