「あ、そういえば金持ち高校だったな…」



ふと、そう呟いた瞬間─────────



「ぼっち同士が仲良く登校ねぇ?」



髪の毛はくるっくる、睫毛はバッサバサ、どこかに飛んでいきそうなくらいの(多分女子)人が近ずいてきた。



「お、おぉ…なんだ?」



そんな彼女が確認する爪はお洒落を通り越して最早芸術。

スカートは短いし、こいつの方が星奈よりパンツ見えそう。

そんなやつを2人は無視し、スタスタと自分たちの席へつく。



「相変わらず変わんないね〜、───────貧乏人」



そう言って、鼻で笑う彼女にカッとなったのか、星奈が自分の机を思いっきり叩いた。

それにぼくも驚いてしまい、肩が跳ね上がった。



「いい加減にしな?金持ちだからっていつまでも偉そうにしてんじゃないよ」



そんな星奈の怒鳴り声で、教室中が一瞬にして静寂に包まれた。



「一華の顔が何?整形してるあんたの顔より全然可愛いんだけど?」

「なっ…!!」



どうやら言ってはいけないことを言ってしまったらしい。

まさかの禁句?

くるくるパーマのお嬢さんは、顔を真っ赤にして怒り始めた。