「……なんとも言えない顔してる」
そう言うと、案の定肩を落とすみんな。
「……から、絵でも良いなら。」
そう言うと、彼らは伏せていた顔を勢いよく上げた。
その目は全て、引いてしまうほどの輝きに満ちていた。
「こんな感じかな…」
それから30分程が経っただろうか。
そう口にすると、漫画を読んだり口論していた人達が僕の周りに集まった。
「え…クオリティ高くね?」
最年長がそう言うと、周りの人も納得するように頷く。
そうかな…。割と適当に描いたから全然そんなことないと思うんだけど。
それに、僕が描くとアニメ系とかそっちにいってしまうから実物とじゃ若干違うかもしれない。
僕が描いた幽霊の絵を、仲良さそうに眺める彼ら。
仲が良いのか悪いのか、それは分からないがそう言われて悪い気はしなかった。
「絵だと分かりにくい部分もあるけど、顔がいいってのはわかった」
「確かに。身長とかどのくらい?」
あぁ、そう言われて初めて気がついたのだけど、僕と同じくらいの目線だった。