この人たちのどこに共通点があって、どこに仲良くする要素があるのだろう。
こういう人達って、大体無縁なんじゃないの?
「すぐ突っかかる所は昔と変わってないんだね」
語尾に音符でもついてきそうなほど人懐っこそうな笑みを浮かべるこの人は、神崎 優真(かんざき ゆうま)。
「あんたら2人黙ってればイケメンなのに。残念なイケメンだ。」
「うっ…HPが足りない…」
この中で最年長の逢坂 優希(あいさか ゆうき)。
先輩のくせに僕より弱い。
あんまり頼りにならなさそう。というかあんまり頼りたくない。
「あんたは昔からへにゃへにゃしすぎなのよ大体」
「へにゃへにゃしてて何が悪いんだよ。いいだろ別に」
そしてまた口論し始めた。
なんなんだろうか、この人たち。
僕が最年少ではあるけれど、この人たちが僕より年下……いや、小学生にしか見えない。
なんか、呆れるというか、めんどいというかだるいというか……疲れた。
そんな光景に耐えきれずため息を吐き、立ち上がろうとしたその時────────
「あの……」
ガヤガヤとうるさい声の中に、ひとつの透き通った声が混じった。
それが他の人たちにも聞こえていたのだろう。
耳を劈く程やかましかった彼らが、瞬間的に口を閉じた。