⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
風と混ざって聞こえてくる夏の音。
日差しを照りつけたアスファルトが熱い熱気を漂わせている。
どこを見ても陽炎が揺れていて、蝉の声は止むことを知らない。
ここは静かだから、自然の音が耳に届く。
うるさい街とは違って、ゆっくりと休める場所。安心するというか、抱きしめられているような感覚がして、すごく好きな場所。
時間は11時くらいだろうか。
気になっていた小説を読み出したら止まらなくなってしまって、ハッとした。
「…持って帰ろう」
読みかけの小説を鞄に詰め、秘密基地を出た瞬間だった。
『燈真』
「え…?」
また誰かに名前を呼ばれた気がして、振り返った。
けれどそこには当たり前のように誰もいなくて、周りをキョロキョロとしてみても同じだった。
でも不思議と恐怖心はなかった。寧ろ、安心するような。
今の僕の心境が伝わったのだろうか。
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風と混ざって聞こえてくる夏の音。
日差しを照りつけたアスファルトが熱い熱気を漂わせている。
どこを見ても陽炎が揺れていて、蝉の声は止むことを知らない。
ここは静かだから、自然の音が耳に届く。
うるさい街とは違って、ゆっくりと休める場所。安心するというか、抱きしめられているような感覚がして、すごく好きな場所。
時間は11時くらいだろうか。
気になっていた小説を読み出したら止まらなくなってしまって、ハッとした。
「…持って帰ろう」
読みかけの小説を鞄に詰め、秘密基地を出た瞬間だった。
『燈真』
「え…?」
また誰かに名前を呼ばれた気がして、振り返った。
けれどそこには当たり前のように誰もいなくて、周りをキョロキョロとしてみても同じだった。
でも不思議と恐怖心はなかった。寧ろ、安心するような。
今の僕の心境が伝わったのだろうか。
