この心臓には散々苦しめられたけど、でも、動きを止めないでいてくれたから伊緒たちと出会えた。


ねぇ、伊緒。


君は、こんな僕のことを好きだと言ってくれた。

未来も不安定で、明日が来ることを拒んで嫌って、泣いていた僕を。

君がみつけてくれたんだ。


でもそれは、君も同じだったんだ。


君が独りで泣いていた夜を、その涙も想いも全部まとめて抱きしめてあげたかった。

この先きっと、行き詰まることは沢山あるよな。


でもその度、君と見た景色を思い出す。


色んな伊緒を目に焼き付けたあの瞬間を、思い出せるように仕舞っておくことにする。

先輩たちと過ごしたあの時間も、伊緒と過ごしたあの時間も。

忘れずに記憶に焼き付けておきたい。



「……うん。──────────がんばる。」



だからさ、君は笑っていて。