落ち着かないというか、そわそわするというか、なんだかな……。

ベッドに座ってみてもだめで、そしてなぜか今日は伊緒が来ない。

それから何時間が経っただろう。

個室の中をウロウロして、寝て、外眺めて、小説を読み終わって。


もう寝ようと思った時間には、外で雨が降っていた。


しとしとと音を立てないような、まるで誰かが泣いているかのような雨が。

結局その日に伊緒は現れず、今になっても落ち着かなかった。



‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆



「今日もいない…か…」



それから数日が経った今日も、伊緒は現れなかった。

毎日お見舞いに来てくれる先輩たちも、伊緒の声が聞こえないと心配していた。



『もしかしてさ、伊緒、消えちゃった…?』

『未練なくなったから、成仏した、ってことか?』



なんて言う声も聞こえていた。

でも、まさか、伊緒に限って何も言わずにどこかへ行くなんてことは……と思ったけれど、伊緒だから、なのだろうか。

はぁ、とため息を吐き出した時に目に入ってきたもの。