どこか遠くで救急車の音が聞こえる。

目が覚めると、隣にいたはずの伊緒の姿が見えなくて焦ったのは秘密。


もう夏休みも終わりだ。


それはいいけど、さっきからひっきりなしに携帯が振動している。

うるさくて仕方なく携帯を手に取ると、先輩たちがやり取りをしていた。

なぜか知らないけど昨日連絡先を交換させられ、グループチャットも作られている。


やり取りをしていたのは優先輩と星奈先輩。


この人たちチャットでも言い合いしてるよ。

一華先輩も既読を付けているみたいだけど、未読スルーだ。

そりゃ呆れるよな。……とか言いながら緩む頬は抑えられない。


……おかしい。


ふと冷静になり、無になる。

それでもなんだかそわそわして落ち着かず、読みかけだった小説を手に取ってみる。

それでも落ち着かなくて、部屋を出ることにした。



「あぁ〜……」



一旦部屋に戻ってきたけど、なんか今日はおかしい。