薄らと目を開くと、空を青く照らす太陽がこちらを見ていた。

何だかそれが嗤っているように思えて不快だ。

…まぁ、嗤われるのも当然か。同じことを自らやりにいったのだから。


もう蝉の声も聞こえない。


自分が纏っていた匂いと、流れ出ていく血の匂いが混じって噎せ返りそうだ。

でも、何度こういう目にあっても慣れそうにない。


キーン──────────と耳鳴りがする。


これでいいんだ。これでよかった。

燈真が元気で、またみんなと一緒に笑っていられるのなら、それでいい。

燈真が幸せになれるのなら、そんな未来を描いているのなら、ぼくも幸せになれる。

臆病でちっぽけすぎるぼくが、誰かの幸せのためになれたのなら、涙が出るほど嬉しい。

それも全部、メンバーの、燈真の、おかげだ。

これでもう会えないという現実が、暴れたいほど嫌だと思ってしまうのも、悲しくて涙が出るのも、全部君たちのせい。


…あぁ、もう呼吸ができない。息が吸えない。

─────────…もう、何も聞こえない。