「え!?そうなの!?」
「うん。だけどね、悪いやつを倒すにはまだまだ特訓が必要なんだ。だから、会ったことは2人だけの秘密ね?」
「ほんと!?うんっ。ないしょにする! 」
目をキラキラと輝かせ、信じきっているゆりちゃんに罪悪感が湧く。
「立派なヒーローになるためにお兄ちゃん頑張るから。だからゆりちゃんも、良い子にして待っててね」
「うん!お兄ちゃん、頑張ってね!」
そしてそのまま、手を振りながら母親が眠る部屋へと戻って行った。
そこで急いで玄関へ向かい、家を出た。
ポストにさっきの手紙を突っ込んで、燈真の元へ向かう。
「ごめんっ!燈真お待たせ」
「いや、うん。目的のものはあったの」
「うん!」
ゆっくりと歩き出しながら、病院へ戻る道を辿る。
沈黙が流れているけれど、不思議と気まずくはない。
「そういえばね、夢があったこと思い出してさ」
唐突に思い出したさっき。
