「うん!優しくて、ママとゆりのこと大好きだって!」

「そ…か…。ゆりちゃんも、パパのこと好き?」

「うん!大好きだよ!」



そう言ってニコニコと可愛らしく笑うから、嘘じゃないんだなって。


心配していたから。


良い方向に変わってくれていたのなら、もう、それでいいや。

…それでいい。



「ゆりちゃんはママの隣に戻ろうか。」

「お兄ちゃんはなにするの?」

「ん〜お兄ちゃんは……あのお部屋に用があるから」



言うか言わまいか迷った末、ここは安心感を与えるために自室を指さした。

するとゆりちゃんはあの部屋に入ったことがないらしく、興味津々の様子だった。

いや、まぁ別に自分の部屋だからいんだけど…。捨てられてたらどうしよう。

そんな不安を抱えつつ、ゆりちゃんと手を繋いで自室の扉を開けた。



「まだ、残ってる……」



開けた先には、いつぶりかに見た光景が広がっていた。