泣きじゃくるぼくを、慰めようとしてくれた兄のように。
すると、少し驚いたのか頑なに上げようとしなかった顔を上げた。
「もう、いいんだよ。今までずっと、苦しめてごめん。ぼくはもう、大丈夫だから。だから泣かないで。…ね?」
柔く微笑んでみせると、優真は首を縦に振りながらもまた涙を流し始めた。
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「今日はありがとう。できればさ、またみんなで燈真のとこに来てやってよ。寂しいんだってさ」
燈真は自分の病室に戻り、ぼくは病院の外に出た星奈たちを引き止めた。
「…うん、もちろん」
「寂しいんならしょうがないってことね」
「…そっか。みんな、本当にありがとね。すっごくすっごく楽しかったよ。」
「なんだそれ。伊緒どっか行くの?」
最後まで、目が合わないなんて寂しいような。
「ううん。行かないよ。じゃ、ぼくは燈真のとこに行ってくるね」
「おう、じゃーな。てかお前ら目赤すぎんだろ」
「はぁ〜?うっさいわねいちいち」
そこは口論しながら帰るんだね。
でも、うん。元気でね。
