そして、1分ほどで辿り着いた1番端の病室。
「え、ここ…?」
「うん」
「なんでここ?」と首を傾げる優真を他所に、その病室のドアを開けた。
中に入ると何故か緊張してしまって、少し足が震えているような気がする。
やがてみんなが個室に入ると、ドアを閉めてベッドを囲んだ。
「え…っ?」
そんな声を出したのは燈真。そりゃそうだ。死んでるはずのぼくがいるんだから。
「え…と、どなた、ですか」
「だ、誰って…」
「燈真くんの知り合い?」
あたふたとし始める燈真は、ぼくへ視線を向けた。
それに「言っていいよ」という合図で、首を縦に振った。
「それ……伊緒、だよ。先輩たちが声だけ聞こえる、その声、の人…」
それに遅ればせながら、みんなが声を上げた。
中でも一番驚いていたのは、優真。
