Lonely daze




星奈たちが見たのは、帰りのこと。

19時に解散予定だったんだけど、子供がいた先生は保育園へ迎えに行く時間に帰ってしまった。

いい先生だったから、隅の方で眺めるぼくに飲み物を持ってきてくれたり、一緒に歌おうと誘ってくれたり。

学校に行けてたのも、その先生のおかげだったのもある。

普通に帰るもんだと思ってたのに、「お楽しみはこれからだ」とクラスの女子が言った。


それが外に出た時の事だった。


人通りも多くて、あまり好きではない。



『あんた、よく来ようと思ったね。ここは気を利かせて帰るだろ』

『はい、謝罪してくださーい。』



急にそんなこと言い出して、土下座までさせられて、その姿を動画で撮影され。


道行く人はチラ見するだけで目を逸らす。


その中で唯一、立ち止まってくれたのが星奈達だった。

最後の望みをかけて、顔を上げたら目が合ったから、助けてと目で訴えた。

そしたら、星奈たちも走っていっちゃうし。

あぁ、結局ぼくはそこまでの人間だと。そう思った。