でもそれに慣れてしまったら終わりだなって思ってたし、学校に行かなくなれば負けな気がして毎日行ってた。
これはまだ小中学生の頃だけど、ちゃんと強くなろうとして、先生にも嫌がらせを受けていることも言ったし、絶対に泣きはしなかった。
「まぁでも、そんなことしてたらわかんなくなってさ。自分のことが」
なんのために頑張って、なぜ泣いてはいけないのか。
そう思ってしまって、もういいやってなってしまって。
半ばやけくそ。自分の髪をハサミで切り落としたのだ。
そこで一旦、深呼吸をしてからまた口を開く。
「優さ、前言ってたよね。不良のやつ」
そう話を振ると、真剣に聞いてくれていたのか険しそうな顔を緩め、「あぁ、おう」と返してくれた。
「絡まれてる人がいたって、それ、ぼく。」
「うん……はっ!?」
「へぇ」とでも言いたそうな顔をしていた優は、途端に目を見開いた。
それは星奈たちも同じで、「え!?」と言いたそうに目ん玉が飛び出るほど驚いているようだった。
