もしそれが、本当にそれができるのなら、これから先の未来を燈真と生きたいと思ってしまった。

優たちともちゃんと向き合って、またみんなで遊びたいなと。



「でも、人間界で生きていくってなると、誰か1人が犠牲にならないといけなくなる。…その相手が、早瀬 燈真くんなんだ」

「え……」



…そう簡単に、いくわけがなかった。



「早瀬 燈真くんは、元々余命宣告通り亡くなる予定だったんだ。でも、伊緒が事故に遭って植物状態になったことによって、彼の運命が変わったんだ」



信じられないことを言う兄に、ただただ驚くしか出来ない。

意味がわからない。



「このままだと彼は死ぬ。」

「ちょ、ちょっと待ってよ…!じゃあ、どうしたら…っ!」



さっきまで泣いていたせいで、鼻声になってしまった状態で兄に詰め寄る。


そんなこと言われたって、なんで。


そんな…っ、そんな話意味わかんない…!

すると兄は開きかけた口を閉じ、それから頑なに口を噤む。



「ど、どうしたら燈真は生きられるっ?それならいい!ぼくが死ぬ!燈真が死ぬんだったら…っ、ぼくでいいよそんなの!」


荒い息を繰り返しながらなんで、という言葉ばかりが脳裏を駆け巡り、止まったはずの涙が押し寄せてくる。

そんなぼくを見て、頑なに口を開こうとしなかった兄が言いにくそうに口を開いた。



「……ひとつだけ、方法はあるよ。」