「「違うから!!」」
「いやいや!口は硬いから安心して。」
「ここは使っていいぞ。」
「いや誤解だってば!!」
「違うんです…!!」
星奈と二人して頭を抱え、結局私たちの「訳」を一から説明することになった。
「なるほど……」
説明している間に、何だかすごく寂しくなってしまった。
私も星奈と堂々と遊びたいし話もしたい。
だけど、そのせいで星奈が傷つくのは嫌なんだ。
陰口を叩かれたり、除け者にされたり、傷つくのは私だけでいい。
何を考えているのか、星奈もいつもの強気な感じはなく、弱々しい雰囲気が漂っていた。
「独り、だったんだね」
なんだかその言葉が温かくて。
「────────ねぇ、
独りならおいでよ。僕達と一緒に」
なんだか今は誰かに手を差し伸べて欲しくて。
今の私にはその言葉が力強くて。
だから、すんなりと差し伸べてくれた手を取った。
それは星奈も同じで、2人目を合わせて頷きあった。
さぁ、行こう。
私たちだけの、秘密の夏を────────。