「今はこれで済んで良かったけど、君たちも早瀬くんの余命が僅かなのは知ってるだろう?もう少ししか生きれないというのに、なぜ死期を早めようとするんだ」
「…え?」
「…は?」
声が重なったのは優真。
でも今のぼくには、そんなことどうだって良かった。
だって、意味がわからない。
ドナーが見つかれば、燈真は生きれるんじゃなかったのか。
そう思ったのはぼくだけではなかったらしく、優真が口を開いて言った。
「は…なんて言いました?」
そう聞く燈真に、担当医の先生は何度も言わせるなと言うような顔をして言った。
「早瀬くんは、もう長くないと言っているんだ!」
「は…?どういうことですか?ドナーを探しているんじゃないんですか…!」
「探しているがそう簡単に見つからないんだよ!子供にはわからんだろうがな」
「…んだよそれ。なんなんだよお前!」
「おい、優真…!落ち着け!」
突っかかって行こうとする優真を、優が止めに入る。
