「花火もそうだけどさ、永遠には続かないじゃん。人間もなんでも同じで美しく綺麗に映るけど、ふと切なくなる時がある。その瞬間、ほんの一瞬、終わりを考えてしまうからなんじゃないかなって。」
だから美しく綺麗に見えるし、終わりがあるからみんな必死になって輝こうとする。
笑って過ごせる日常を、幸せだと思える瞬間を、今がある事を当たり前だと思うのは傲慢なのではないかって。
「あっ、落ちちゃった」
そう声を上げたのはぼく。
「あ、こっちも」
ぼくのが落ちたすぐあとに、燈真の方も落っこちたみたいで、ぼくらを照らしていた灯火が消えて真っ暗になった。
その途端にお互い口を閉じてしまい、沈黙が流れる。
「やべぇ、さみぃ」
「もう行く?風邪引くかもだし」
遠くからそんな声が聞こえ、終わってしまった線香花火をバケツの中に入れようと立ち上がった瞬間──────────……
「消えないで」
弱々しい力で、服の裾を引っ張られた。
泣いてしまいそうだった。
だからもう、何も言わないで欲しかったのに。
