少し先の方では、まだ遊んでいる優たちの声が聞こえる。
海と同じくらい真っ暗な空には、燦然と輝く星たちが沢山見えて。
隣には、燈真がいて。
こんなに幽霊が幸せで良いのだろうか。
そんな幸せが途端に終わってしまいそうで、怖かった。
「花火って、なんでこんなに切なく映るんだろ…」
その時、独り言のように消え入りそうな声が耳に届いた。
視線を向けると、どこか泣きたそうな顔をした橙真が花火を見つめたままそう言った。
なんで、切なく映るのか。
「…それは…終わりがあるから、じゃないかな」
ぼくも、蚊の鳴くような声しか出なかった。
これ以上なにか言葉を発してしまったら、涙が零れ落ちそうな気がして。
それでもぼくの声が届いたのか、燈真が軽く目を見開いて顔をこちらへ向けた。
聞こえていたのなら話が早いと思ったぼくは、一度深呼吸をしてから口を開いた。
