まるで汚れを知らないようなその瞳が、羨ましなと、そう思ってしまった。



「次燈真〜」



星奈がそう声をかけると、「え?」とでも言いたそうな顔をした燈真が隣にいた。


またもやこちらも、先程の優のように「マジかよ…」なため息を吐いた。


燈真の話はあまり聞かないからか、みんな興味津々の様子で、仕方なくな感じで燈真は口を開いた。



「え…と、正直な話をすると、最近楽しいなってよく思えるようになって。なんかこう、幸せだなと、感じる、んです。もう僕、この先長くないって、生きるの諦めてたんですけど。最近は、すごく生きたいと思ってしまう」



でもそれは我儘なんじゃないかって、と続けた燈真に、みんなが首を横に振った。



「そんなわけないじゃん。そう思ってくれてるなら、来て良かった」

「逃避行成功?」

「成功だろ。」

「うん。燈真くんがそんな風に思ってくれてるなんて……っ」

「え、えっ、ちょ、泣かないでくださいよ」

「あ〜あ、燈真泣かせちゃった」



泣き出す一華に、あわあわと慌て出す燈真の姿はとても珍しいもので、みんなして笑っていた。