「わたしたちもさ、実は同じような経験したことあって、ね」
「うん…優先輩の気持ち、わかる気がする」
そう言う星奈と一華は、顔を見合わせて苦笑した。
「え〜もしかして、月城ちゃんたちも不良に絡まれた経験が?」
「あー違う違う。そうじゃなくて、外でさ、いじめられる子がいて動画撮られてたんだけど、その子と目が合っちゃって。」
「そう、で、怖くなって星奈と逃げちゃって……」
動画って……そういうのって撮ってどうするつもりなんだろう。
SNSとかにアップする的な?学年のグループチャットみたいなのに送ったりとか?
そういうのって犯罪にならないのかな。
「その事、わたし達もすごく後悔しててさ。もしその時に戻れるんなら、戻って助けて、逃げちゃったこと謝りたいくらい。」
「私もすごくそう思うけど、でもそれってただの自己満足にしかならないよねって……それでも、私は助けたいって、すごく思うんだ」
そうやって語る星奈たちの言葉には、嘘なんてひとつも隠れてなさそうで。
