「いやぁ、ちょっと、思い出した…?ことがあるから。言った方がいいかなーなんて、」



そう言った途端、「え?!」と優真が声を上げた。

一華も燈真も、目を丸くして「えっ」みたいな顔をしている。

一方星奈たちは、まだテレビの取り合い中。仲が良いのか悪いのか…。



「え、で、何を思い出したの?ていうかどこにいんの?」

「え、あっ、えーと、燈真の右隣、かな」

「うん」



そう言うと、指摘された場所をじーっと見つめる優真と一華。

見えてはいなかったみたいだけど、今はそれよりも続きが気になっているみたいだ。


隣に座っている燈真も、顔に出てる。

意外とわかりやすいのかな、燈真って。


頭の隅でそんなことを思いながら、未だ口論中だった星奈立ちにも声をかけた。

‎⋆ ・‎⋆

「へぇ、伊緒ってお兄ちゃんいたんだね。なんか意外」



ぼくが思い出せたことは全て話した。

でも天使さんの話は、実は少ししか思い出せてなくて。