そんな人たちで溢れかえっていたけれど、私には信頼出来る親友が1人いるだけで十分だった。
その時、ポケットに入れていた携帯が振動した。
画面には《星奈》の文字。
それを見るだけで肩の力が抜け、自然と笑みが零れる。
《学校終わったら秘密基地行こ!》
その文と一緒に、猫が燃えているスタンプが送られてきた。
なぜそのスタンプをチョイスしたのか分からないけれど、《りょーかい!》と返事を返した。
⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
「ねぇ、星奈。本当に来るのかな?」
「来るに決まってんじゃん。やるからには絶対勝つ!」
そういう星奈の瞳は、メラメラと燃えている。
小学生の時からずっと使っている私たちだけの秘密基地(仮)。
昨日、この秘密基地にお客さん、というか元々使っていた人達が来るらしい。
そして星奈は、また泣かせてやると言っているのだ。
冗談ならいいが、星奈なら本当にやりかねない。