そんな人たちで溢れかえっていたけれど、私には信頼出来る親友が1人いるだけで十分だった。

その時、ポケットに入れていた携帯が振動した。

画面には《星奈》の文字。

それを見るだけで肩の力が抜け、自然と笑みが零れる。



《学校終わったら秘密基地行こ!》



その文と一緒に、猫が燃えているスタンプが送られてきた。

なぜそのスタンプをチョイスしたのか分からないけれど、《りょーかい!》と返事を返した。

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「ねぇ、星奈。本当に来るのかな?」

「来るに決まってんじゃん。やるからには絶対勝つ!」



そういう星奈の瞳は、メラメラと燃えている。


小学生の時からずっと使っている私たちだけの秘密基地(仮)。


昨日、この秘密基地にお客さん、というか元々使っていた人達が来るらしい。

そして星奈は、また泣かせてやると言っているのだ。

冗談ならいいが、星奈なら本当にやりかねない。