改めて周りを見渡すと、みんな肩を落としているように見えた。
こういう時はいつもサバサバしている星奈が切り替えるのに、星奈もなんだか浮かない表情だった。
みんなしてどうしたというのだろう。
僕が見えなくて落ち込んでる?でもぼく、幽霊だよ?
幽霊は見えない方が、安心するもんなんじゃないのか?
「せっかくの夏休みだからさ!みんな何したいか考えた?優くんなんて学生ラストでしょ〜?」
そんな雰囲気を壊すような声が、リビング中に響いた。
「…いやまじで俺ぼっちだったからね?俺の青春は勉強で終わんのかと思ったわ」
「え、あんたって勉強できたの?」
「失礼な。できるに決まってんだろ。一応優等生ですけど?」
「自称でしょ、どうせ」
はぁ?、とまたもや始まった口論に燈真と顔を見合わせて苦笑する。
