それに驚きながらも顔を上げると、そこには燈真が立っていた。
「あ、うん。さっき終わった」
「…あ、そ」
そう言って去っていこうとするので、何か用ではなかったのかと思ったけどどうやら違うみたいだ。
多分、手伝いに来てくれたんだろう。
少しだけ耳が赤く染まっているのが見えた。
…照れてる。かわいいかよ。
ニヤニヤと緩む頬を抑えながら、その後を追った。
「あれ、早かったね。燈真くんひとり?」
「いや、後ろにいますよ。ここに」
そう言いながら自分の後ろを指差す燈真。
すると、みんな一斉に燈真が差した指の先を目で追いはじめた。
その動きがシンクロしていて地味に笑えたけれど、やはり誰とも視線が重なることはなかっま。
「…そっか。とりあえず、燈真も伊緒も座って」
「……もしかして面白いこと?いいねぇ〜」
なんて言いながら、燈真が座ったその横にお邪魔する。
