「優真は?未だに掴めないんだよな〜」
たまに切ない雰囲気を醸し出したり、泣きそうな顔をしたり。
そう思ったらすぐへらへら笑うから、それが本物なのか偽物なのか、まったくもってわからんのだが。
謎すぎてどういうやつなのかということが全然理解できないのだ。
正直ぼくより謎だと思う。うん。
「え、おれ?」
「おれおれ」
「オレオレ詐欺かよ。えぇ?うーん……」
それから少し考える素振りをしたあと、優真は口を開いた。
「あとでさ、月城ちゃんがなんか面白いことやるって言ってたから、その時ね」
「えぇ〜」
「えぇ〜じゃないわよ。あ、9時過ぎた。買い物行くから、準備してきて」
いつの間に口論を終えたのか、星奈が半ば強引にみんなを突き動かす。
えぇ〜、と言う一言だけでぼくの声だと当てた星奈に若干嬉しく思いながらも、薬を探しに行って戻ってこない燈真の元へ行った。
