「……まぁ、うん」
「ほら、燈真もそう言ってるんだしこの話は終わり!記憶の方が大事っしょ?」
ここは上手く丸めて、次に行こう。
一華は納得したみたいだけど、星奈はどこか腑に落ちない表情をしていた。
星奈は鋭いからな…。気をつけねば。
「…そうね。じゃ、記憶の話は男共が起きてからにしよう。わたしたちも少し寝たいし。」
「そっか、起こしてごめんね」
平気〜、と星奈と一華は布団に入った。
それを確認したあと、なぜか若干拗ね気味の燈真の所まで歩いた。
女子部屋を出たすぐの所に立っていて、星奈達に聞こえやしないかと心配になりながらも、燈真へと声をかける。
「燈真もごめんね」
「…別に」
素っ気なくそう返され、言葉に詰まった。
何か声をかけようと言葉を探したけど、結局何も見つからずに開きかけた口を閉じた。
それから微笑んで、燈真を隣の部屋までお見送りした。
ちゃんと寝ないと、身体に何かあるかもしれないし。
