「え、じゃあ付き合ってるわけじゃないってこと…?」
「そ、そう!」
やっと話が伝わった…!
午前6時。外は1時間前くらいから明るさを増している。
ぼくたちはというと、4時間くらい前から女子部屋で同じ話を繰り返していた。
まず、どうして燈真が女子のベランダにいたのかということから。
それから洗いざらい話すことになり、もちろんキスのことも話した。
いや、あれはキスと言うより唇どうしが軽く触れ合っただけなのでキスじゃなくてちゅーなのではないかと。
ちゅーだから、ちゅーだよ。
……でも、覚えてる。
燈真の体温とか、感触とか。
そこまで深くは言ってないけど、キスしたら記憶が蘇りましたとお伝えした。
「じゃあなんでキスするのよ?」
「事故だよ事故。ほ、ほら、ぼく女とは限らないでしょ?だから、そういう感情があってしたわけじゃ……ね?燈真」
あれやこれやと理由をつけ、最終的にはさっきから不機嫌な燈真に同意を求めた。
