ドキドキと心臓が音を立てていた。

………………じゃなくて。



「な、どうなってんの?」

「…こっちが聞きたい」



目の前で盛大なため息を零す燈真に、「え、え?」と狼狽える。

だって、ちょっとよくわかんない。

外に視線を向けると星が見えて、その奥には真っ黒な海があって。

左を見ると星奈たちが寝てて。

そして目の前には、顔を伏せている燈真がいて。

しばらくはてなマークが浮かんだあと、それはすぐに消え去った。


……思い、出してしまった。



「……キス…、」



ぽつり、と口から出た言葉。

それにピクリと反応を示した燈真。



「あ、あっ、えっ、」



途端に恥ずかしくなってしまって、頬が熱くなるのを感じた。



「……ごめん。…怒った?」



伏せた顔を除き込まれ、目を見張る。