ハッとして目が覚めた。

目が覚めたと言うより、ぼーっとしてる時突然「わっ!」と驚かされた時の感覚に似ている。

目を数回瞬かせた後、すぐさま辺りをキョロキョロと見渡す。

そこには、目を閉じて気持ちよさそうに眠る星奈と一華がいた。



「いお……伊緒…っ」

「へ…っ?」



瞬間、意識がはっきりして現実へと引き戻された。


すぅーっと、ぼくの中から出ていった何かが戻ってくる感覚。


未だ目をパチパチさせながら、声のした方に顔を向けると、どこか焦ったような顔をした燈真と目が合った。


意外と近い距離にびっくりしたけれど、少し茶色がかった燈真の瞳が綺麗で、目が離せなくなった。



「ちょ、大丈夫?」

「…うん……」



なんと言ったのかちゃんと聞いていなかったけれど、それよりも燈真の瞳に釘付けだった。

いつもは長い前髪で隠れている燈真の目は、吸い込まれそうなほど綺麗な色をしていた。

その瞳の中には、なんとも間抜けな顔をした自分も映されていて。

ぼくが、映ってる。