小さな白い箱の中で、いつだってひとりぼっちだった。


外の世界を夢見ても、それはダメだと止める大人。


明日もここでひとりなんだと考えれば、憂鬱になりそうになって。



『おいでよ、燈真。』



だから、もううんざりで。憂鬱で仕方なくて。


そう言って笑う君の手を掴んだ。


これからもひとりぼっちで腐っていくのと、これから先自由に生きて死んでいくの。


僕は後者の方を選んだ。


君がくれた今日は在り来りな今日で、僕が選んだ今日もどこにでもあるような、そんな夏の日だった。



そんな君はどんな顔なんだっけ。



動かしていた手を止め、目をぱちぱちとしてそんなことを思う。


なんでだろう。


なぜだか、そんな君の顔が思い出せないんだ。