『ここでいいよ。』

家の近くまで来てルシルに言う。

『遅くなって、わりぃ。優のご両親に挨拶しなくていいか?』

思わず笑う。

『ルシルって、悪魔のくせに真面目だね。大丈夫だよ。親は仕事。いてもなんて言うの?私と仮契約しましたって?』


『そりゃそうだ。じゃ明日から宜しくな。』


『うん。』


『じゃな。』

背を向けて歩き出すルシルを呼び止める。


『ルシル!』