『行ってきます。』
『行ってらっしゃいませ。お嬢様。』

大きなお屋敷から一人の少女が憂うつそうに出て来た。


髪の毛はショートで少し癖がついている。
二重のぱっちりした瞳。
白い肌。
薄い唇。
化粧はしていない。

のろのろと自転車に乗る。
まるで学校が嫌でたまらない。という風情だ。