「ねぇ、サミュアが遅いのっておかしくない?」
「ああそれを今考えているところだ」

ようやく気づいたのだろう
サミュアの能力であれば人を何人だろうが、どんな状況だろうがこの中にいる誰よりも、撒くことなど簡単であるということに

「もしかしてリオやデリッドより早く来ていたということはない?あの子の能力覚えているでしょ。だからもしかしたら隠れているかもしれないし」

さすがリリアムは感が鋭い
女の感というものだろうか

「あっ、ヤバイかもしれない」
「どうした」

リオが推測する

「もし俺たちより早く来ていたとしたら、あの話聞いてたんじゃないか?この店に入ってきた時話していたこと」

リオは何となくで話していく
デリッドもリオが何の事を言っているのかか気付いたようだ

「何の話してたんだ」
「デリッドが、サミュアは俺たちといることに反対だって言ってたんだ。それを俺もだって話してた」
「何てこと言ってるのさ。そんなこと言ったら傷つくに決まってるじゃん」

リリアムが怒りだす
無理もない
リリアムの気が小さいということはジルカンであれば誰だって知っている
それなのに目の前でこんなことを言われたら落ち込まない筈がない

「だが俺は嫌いだから言ったわけじゃない。心配だったんだよ、無理してるんじゃないかって」
「俺も賛成はしたが、その後理由をちゃんと言ったぞ」
「サミュアのことだから途中で逃げ出したかもしれないでしょ。だから、探しに行くよ。こんなに経っても来ないんだとすれば確実だと思うからね」

ようやく5人は急いで店を出てサミュアを探しに行く