おじちゃんの日記を、何度も何度も読み返した。
読み返してるうちに、だんだんわかってきた。

おじいちゃんは、霊の対処法を僕におしえたかったけど、父さんの目もあって教えられなかったこと。
僕が整体を始めたので、関連ずけて教えようとしたけど、病床についてたので日記にしたこと。

拝み屋のこと。
霊的な事だけでなく、占ったり 病気を治したり 薬草を煎じて飲ませたりしていたようだ。
おじいちゃんの頃の時代の田舎は、医者がいなくて 町までもかなり時間がかかったので、村人のほとんどが
おじいちゃんを頼っていたようだ。

中でもビックリしたのは、おじいちゃんがマッサージ師の資格を持っていたことだ。

(へ~、おじいちゃんマッサージ師だったんだ。)

針や灸、骨接ぎもやっていたらしい。

(拝み屋って、何でも屋なんだな~。)

拝み屋のおじいちゃんが施術をしてたから、僕も整体を通じて霊と関わるようになる、そう思って日記をのこしてくれたんだな。

~夕方~

「いらっしゃいませ!」

「予約してないんだけど、いいかしら?」

突然の来客、多分そうだろうな。
霊的な、客だと感じた。

三十前後位だろうか、凄い美人でセクシーな女性だ。
妖美といった方がいいか、うちの店には初めての客だ、女性は老人くらいしか来ないからな。

「このベットに横になれば、いいかしら?」

「は、はい。でも着替えをしなくては。」

「何か、問題あるかしら?」

「ノースリーブだし、スカートが短すぎます。」

「あー、気になる? エッチね~。私は大丈夫よ。」

う~ん、大丈夫かな~?後から問題になっても嫌なんだよな~

「では、タオルを掛けますね。 どこがお疲れですか?」

「腰が痛いわ~、肩も痛いし、足もね~。」

意識をせずに、お婆さんを施術してるつもりで施術をしていた。

(ん?)
足を触ってくる、まあ、勘違いだろうと思い施術続行。
だんだんと手が上に、彼女の手が股間に、
(やべ、集中できねー。)
僕は女性経験が少ない、この歳になって彼女もいない。
こんな時、どうしたらいいか、わからない。

そう思っていると、チャックを下ろし中に手を入れて、直に揉んでくる。
正直、気持ちがイイ。
もう身を任せたい、しかし、仕事中だ。

「あ、あのー、お客様?」

「どうしたの?」

彼女は、そう呟くと身をお越し脱ぎはじめる。

「見たいんでしょ?」

「触りたい? 触ってみる?」

その間も、股間は揉まれ続けている。
もう理性が、ぶっ飛びそうだ。
僕だって触ってみたい、このまま1つになりたい。

でも、仕事中だ。 
僕は度胸もないし、クソ真面目な所がある、それで、損もしてきた。
これはモテない僕へのチャンス、彼女は僕に惚れてる? そらなら。

そう思い始めた時に、頭の中に
"色情霊"と浮かんだ。

やっぱり、僕がモテる訳ないよな。
イヤイヤ、こんな時 どうする?

おじいちゃんの日記には、憑依されてる時は、名前を聞いて紳士な態度をとれと書いてあった。

「お客様のお名前は、何ておっしゃるんですか?」

「赤城麗子よ。」

「赤城様、ベットにうつ伏せになってください。」

とお願いした。

すると、すんなりうつ伏せになってくれた。
それでも彼女の手は、ズボンの中に入ったままだ。

気を集中し、呼吸法を繰り返し彼女の身体に気を送り込んだ。
すると、彼女の霊穴が視えた。
霊穴に輝圧(気を高め集中した指圧)霊体が、浮き上がってきた。

(まだ、離れないか。)

股間の手が止まった、ユックリと手がズボンからでる。
彼女は、フラフラと起き上がり
いきなり泣きだした。

「どうされました?」

ヤバい、色情霊が外れかけたら、僕にイヤらしい事をされてると思ってるのかな?

「ごめんなさい。ごめんなさい。」

「え?」

「私、全部記憶があるんです。」

「はぁ。」

「私、時々変になって、男の人とエッチな事しちゃうんです。自分ではその気もないのに、もう一人の自分が、そうしてるんです。信じてもらえないかもしれませんが、私そんな女じゃない、彼氏もいた事ないのに。」

「絶対におかしいと思って、病院や精神科、カウンセラーにも通いました。もしかして霊的な事かとも思い霊能者や、マッサージにも。
でもでも、もう一人の私がエッチになると、どの先生も最後までしちゃうんです。 (君はエッチな女だから、俺の女になって)と言われて、悲しくて。」

「このお店の前通ったら、なんとかなると思って、入ったんです。」

「赤城様?」

「私、赤城麗子じゃありません、岡崎瞳です。 赤城はもう一人の私で」

「瞳ちゃん、もう大丈夫だよ。」

瞳ちゃんは、子供のように泣きじゃくった。
僕も、お客様に瞳ちゃんなんて言うとおもわなかったけど、そう言葉が出た。

「まず服、着ようか。」

瞳ちゃんは、真っ赤になり服を着た。
慌てて、僕のチャックも戻そうとしたが、それを制し自分で戻した。

「瞳ちゃんは色情霊に憑依されていたんだ、今外れかけている。 瞳ちゃんを浄化し色情霊の霊穴を押せば、完璧外れるよ。」

普段は断言しないのだか、今回は断言した。
瞳ちゃんを施術し浄化すると、色情霊のピンクのモヤが赤城麗子の姿になった。
ふと見ると、瞳ちゃんの感じも変わっている。

「瞳ちゃん、赤城麗子を外すから、僕がどんな話しをしても、それは赤城麗子に対してだから、気にしないで。」

「はい。」

よし、ここからはお爺ちゃんの日記にも詳しくは載ってない。
霊 相手の施術だ!

「赤城さ・ま。」

「ちゃんと最後までやってよ。」

「かしこまりました。」

その時、私 岡崎瞳は不思議な気分で二人の会話を聞いていた。
(これが赤城麗子の声か。)
憑依されている時は、自分が話している感覚だったから、こうやって赤城麗子の声を聞くのは初めてだ。
憎いと思いながらも、レイトさんとの約束だから、我慢した。

「ねえ整体師さん、早くしてええ。」

「赤城様、少々お待ちください。」

霊体に、霊穴が見えない。
おじいちゃんの日記には、霊の願いを叶えてやると上がっていくと書いてあったな。
彼女の願いって、やっぱり昇天させる事だよな~
誤解されたくなかったから、瞳ちゃんにメモを見せた。

(レイトさん。)
レイトさんもセクシーな女性には弱いのかな~と思てた時、渡されたメモを見た。
レイトさんを信じよう!よし!何も見ないし、何も聞かない

瞳ちゃん、わかってくれたようだな。

「赤城様。お待たせしました。」

「もう~、遅いわよ~、またせて~」

「どう施術すれば、よろしいでしょうか?」

「わかってるでしょ❤」

「かしこまりました。」

覚悟を決めた、性感マッサージだ。 指先に気を集中させれば、できるはずだ。
彼女は性行為を望んでいるだろうが、霊体になっている彼女には触る事もできない。
性感マッサージで昇天させれば、彼女の霊穴が視えるはずだ。

乳房に触れるとビクンとする。
(感じてる。)
赤城麗子の妖美な表情に震える。(いける) 

「あああああああああああああああああああああああ”あ”あ”あ”。」

これが 喘ぎ声なのか?もっと色っぽいもんだと思っていたが、まるで断末魔だ。
さらに気を集中させる、指先が輝る。
股間に持っていく、正直 モテない自分には、こんな経験はない。
見よう見まねで、指を動かす。霊なのに濡れているのを感じる。
(初めて、濡らした相手が霊か~) なんか、むなしいな~

「あ❤ あ❤」

すると、赤城麗子は僕のズボンを下ろし、股間を咥えてくる。
いつしか、いやらしい体制になっていた。

私、岡崎瞳は、この光景を見て絶句した。
これを、いつも私はしていたのね。涙が出てきた。
(でも、レイトさんは、私のために戦っているんだ。私は、見守ろうレイトさんのために。)

霊なのに、なんてテクニックなんだ。僕にはキツイ、集中が途切れる。

「あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー❤。」

(ダメだ、我慢できない。)

僕が果てると同時に、赤城麗子は昇天した。
だが、まだ終わりではない。 よし、霊穴が視えた!! 輝圧!!

”掌全体から、気をはなて”

頭に響く声に従う。

「ハアアアアアアアーーーー!!」

赤城麗子の霊は、おそらく上がっただろう。 間違いなく、もう現れないと確信した。

「はあ、はあ。しんどい。」

「レイトさん、終わりました?」

「瞳ちゃん、終わったよ。」

「きゃっ。」

「ん?」

僕は、赤城麗子にされたままだったので、下半身丸出しだった。
(かあー。)

「ごめん。ちょっとトイレ。」

レイトさんは、そう言って、トイレに駆け込んだ。
ちょっとビックリしたけど、なんか可愛いい。赤城麗子通しては見たことあったけど、岡崎瞳としては初めてだもん。
でも、本当の初めてがレイトさんで良かったかも。

「ごめんね、瞳ちゃん。セクハラじゃないからね。」

「わかってます。全部見てましたから。」

「えっ!?見てたの??」

僕は、さらに恥ずかしくなって、赤面した。

「あの~、瞳ちゃん?」

「はい?」

「瞳ちゃんも、服着たら? 目のやり場にこまるよ。」

レイトさんにそう言われて、裸だったことに気ずく。赤城麗子が最後に脱いだんだわ。
私は、急いで服装を整えた。

「瞳ちゃん、更衣室使ってよ。」

「ここまで見られたら、一緒です。」

「そ、そうか。」

こういった事は、女の方が度胸があるのかな? せめて後ろ向いてよう。

「着替え終わりましたよ。後ろ向いててくれたんですね、ありがとうございます。」

「いや、礼儀でしょ。」

「レイトさんなら、見てても良かったのに。」

「え?」

「冗談です。 ウフフ。」

やっぱり、女は小悪魔だ、怖い。

「女は、怖いと思ってません。」

「ギクッ、いや~そんな事は。」

「もう~。」

「レイトさん❤」

「ん?」

チュッ、私はキスをした。

「あわわわ。」

「岡崎瞳の、ファーストキスです。 赤城麗子は淫乱みたいでしたけど、私自身は未経験です。レイトさんへの
お礼です。」

「ぼ、僕も初めてのファーストキスだよ。さっきの赤城麗子のがふくまれなければね。」

「幽霊ですから、お互い初めて同士でいいじゃないですか?

「そうだね。」

今の今まで気ずいてなかったけど、瞳ちゃん 僕の事 先生からレイトさんになってる。

「どうしたんですか?レイトさん?」

「いま。レイトさんて、言った?」

「え?いやいや、あの~」

「それにしても、赤城麗子って、こんな露出バリバリの服装だったんですね。」

「うん、僕もビックリしたよ。」

うまく、ごまかせたかな? 私、自分からキスするなんて、赤城麗子のせいかな?
やっぱり、レイトさんを好きになったのかな?

「赤城麗子の趣味の服じゃ、恥ずかしくて帰れないです~。麗子じゃないのに、男寄ってきたら、どうしよう?」

「僕の上着を貸すよ、女の子が着てても、変じゃないのがあるから。

「ありがとうございます!先生!」

岡崎瞳は、元気に帰っていった。
やっぱり、僕の勘違いだった。 人とは違う経験してるからって、僕を好きになるはずがないよな。
忘れたい過去だと思うし。 またがんばろう!

「先生、お願いしまーす!」

以外にも、岡崎瞳は常連客になった、もちろん霊とは関係なく ふつうのお客様だ。