次の日
「今日ママとパパ帰ってくるんでしょ?」
那雪ちゃんは不思議なことに2人が帰ってくる日にちを知っていた
「……うん」
私は嘘をついてしまった
「早く帰ってこないかなー」
那雪ちゃんは何も知らない
5歳の那雪ちゃんにはわかるはずもない
「ママたちが帰ってきたら今度は沙友理さんがお家遊びに来てよー」
ごめんね那雪ちゃん……
「ママとパパたち沙友理さんのこと大好きだもん!」
「那雪ちゃんごめん!」
少し大きめの声で那雪ちゃんの話を終わらせた
「なに?」
那雪ちゃんは首を傾げて聞いてくる
その純粋な目を見てるとすごく罪悪感が湧いてしまう
「ママとパパね……戻ってこないんだ…」
私がそう言うと
那雪ちゃんは困った顔をして
「なんでー?今日帰ってくるって言ってたもん!
寝る前にチョコ1個ずつ食べてチョコが無くなったらママたち帰ってくるって言ってたよ?」
那雪ちゃんはチョコが入っていたごみを3つ見せてきた
雪菜は那雪ちゃんを本当に理解してるんだなと感心してしまった
すごい…
雪菜は那雪ちゃんをちゃんと娘として愛していた
だから3個チョコを食べたら帰ってくるってわかったんだ……
雪菜の優しさを今になって痛感している