梅雨も明け、7月に入った。

 用事がない放課後は、風無さんの家の書庫で読書をすることが恒例となった。

 あそこには僕が所持していた医学書はほぼ全て揃っている上に、国内だけではなく海外の有名な医師の著書まで揃っていた。医者志望として至れり尽くせりだ。

 だが、それ以上に風無さんとより一緒にいる機会が増えたことに喜んでいる自分がいる。

 未だ彼女に対する感情を形容することはできずにいる。

 わからないままだが、ただ今は側にいたい。