全く、ひと使いが荒いんだから。


内心ブツブツ文句を言いながら、手を伸ばした。


指先に冷気が触れる。


「もう少し下」


厚彦に言われるがまま、下に移動する。


(あ、触れた!)


直観的にそう感じた瞬間、梓はグラウンドに立っていた。