外に出たら
遠くで微かに花火の音がした
「ここからだと見えないね」
キミが言った
「去年は花火見れた?
上から見たらどんなだったんだろーな…って
マンションから
花火が見えるって言ってたから…」
「いや、たぶん仕事
番組内で用意されてた
バースデーケーキのローソク消してた」
「そっか…」
「今のアパートからは
たぶん花火見えないと思うけど
これからベランダで花火やらない?
予備校の近くのアパートなんだ」
「…」
「ライトもいるし…!」
オレ
キミを離したくなくて
必死じゃん
「私なんか誘わなくても…
…
大切な人とケーキ食べなくていいの?」
「え…」
キミが言う大切な人って…?
オレの大切な人は…
「あの女優さんと…
まだ付き合ってるの?」
「え…
…
アレは…全部、嘘なんだ
信じてもらえないかもしれないけど
熱愛報道なんて、ホントはなくて…」
「…」
「ごめん、今更、関係ないか…」
隣にいるキミが冷静すぎて
必死な自分がカッコ悪く感じた
嘘だったとしたら
なんだって?
今更
嘘でも
言い訳でもないけど
隣にいるキミは
冷めてて
関心なさそうだった



