「あ、あの子
窓際の席の子
この間、大和に紙袋渡してって…」
准が言った
予備校近くのカフェだった
准の視線の先にキミがいた
「お礼言ってくるわ」
キミに近寄ったら
キミは漫画本に夢中になってた
前に立つオレに気付いて
キミが視線を上げた
「また漫画読んでるの?」
「うん…」
「どんな漫画なの?」
「あのね…
…
あ…」
キミは話し出そうとして止めた
「次の授業の時間だから、行かなきゃ…」
キミは漫画本をカバンに片付けて席を立った
「あ、ねぇ…
待っててもいい?
授業終わるまで、ここで待ってる」
「…」
また聞こえなかったかな?
「来なくても待ってる」
キミは黙ってオレの横を通りすぎた
なんとなく来ない気がした



