人混みを抜けて
駅の方に向かった
話したいって言ったのはオレなのに
言葉が出てこなかった
「お腹すいてない?
あ…だって、
ラーメン食べたかったんでしょ」
「うん、大丈夫
並ぶ前にクレープ食べて来たもん」
知ってるけど…
そんなことを話したいわけじゃなかった
「え、っと…
あー、ライト元気だよ
ライトも会いたがってる…」
本当に会いたかったのはオレなのに
ライトのせいにした´•ﻌ•`
「大和…
大蔵さんは…なんで予備校にいるの?」
キミは大和から大蔵さんて呼び直した
少しショックだった
でもオレに気付いてたんだ
「入校式の日に見かけたの
…
私ね
大学受験ダメだったの
…
入校日の朝
桜を見上げてる人がいて…
あ…春が来たんだ…って
…
私、久しぶりに空を見た
…
春だよって
教えてくれて、ありがとう」
キミは笑顔でそう言った
もぉ夏なのに
オレには今
春が来た気がした
あの時キミが書いてくれてた
メモを読んだみたいな気持ちになった
いつもキミは
オレに温かくて柔らかい
安らぎをくれる



