「はい!
私が読んでる少女漫画の主人公に
そっくりなんです!
咲花くんていって
背が高くて、すっごいかっこよくて
私、大好きなんです!」
「…」
え…
なんか…
失礼だった?
失礼か!
失礼だよ!
いくらかっこよくても
実際にいない人物だし
所詮、紙に描かれた人じゃん!
めちゃくちゃ失礼じゃない?
怒ってます?
クビですか?
それだけは許してください
時給4000円なんて他になくて…
「よかった…知らないんだ」
大蔵さんは笑った
よかったー
怒ってはないみたい
「あの、知らないですか?咲花くん」
知らないでしょ!
普通
「織乃さんて、おもしろいね」
「スミマセン、本当に
私、すごい失礼なこと…」
「ぜんぜん…
…
おつかれさま
帰っていいよ
ごめんね、残業させて…」
あー…クビ決定かも…
「スミマセン
あの、ラーメンのお金…」
私はカバンから財布を取り出した
「いらない、残業代
あ、もちろん時給もちゃんと払うけどね」
「ごちそうさまでした」
「オレ、見たいドラマあるから
見送れないけど…いい?」
「はい!見送りなんて、ぜんぜん…」
「織乃さんは見てないの?
水曜10時からのドラマ」
「私、ドラマとか、ぜんぜん見ないんです
漫画とか、ネット配信の動画とか…」
「そっか…
じゃあ、気を付けて帰ってね〜」
「はい!失礼します!」
ホントに失礼しました
お許しください…



