「ねぇ、大和…
お芝居でも、女優さんとキスする時は
ドキドキしたり、するの?」
ズキ…
「…するよ…
それは、キスシーンだからとかじゃなくて
演じるうえでの緊張
紬とキスする時とは違う」
ズキ…
「好きだな…とか…思ったり
演じてて、それで本気になったりしないの?」
ズキ…
自分で聞いてるのにズキズキする
大和を信じてるけど
大和を待ってるけど
やっぱり
不安
「オレは、そぉ思ったこと一度もない
…
さっき紬抱きしめて思ったけど
仕事で触れる女優さんは
みんな冷たくて硬くて人形みたいなんだ
…
紬に出会って
人ってこんなに温かいんだ
女の子ってこんなに柔らかいんだ
抱きしめるってこんなにドキドキするんだ
って知った
…
そのドキドキも
仕事の時のドキドキと違ってさ
なんか、心地いんだよね
…
…
ちゃんと恋愛したの紬が初めてだから…」
そう言ってくれた大和の瞳は
温かかった
「紬…ごめん…
嫌な思いさせて
…
でも、本当だから…
…
紬が初めての彼女だから
…
紬、好きだから…
…信じてほしい」
私も初めての彼氏が大和で
初めてのキスも大和がしてくれた
大和は
初めてのキスじゃなかったのかもしれないけど
気持ちのあるキスは
私が初めてだったって思ってもいい?
「…うん…信じるよ、大和」
「紬…」
ーーーーー
…
ドキ…
ドキ…
ドキ…
「…もぉ…大和、長いよ…」
「ごめん
仕事だと監督がカットしてくれるから…」
大和の本当のキス
信じるね
大和
私が笑ったら大和も笑った
「なに?紬」
「ん?なんでもない
大和も笑ったじゃん
なに?」
「紬が笑ったから…
なんか、かわいくて笑った」
ずっと大和と一緒に笑ってたい
画面を通してじゃなくて
私を見て笑ってくれる大和
私だけに向けてくれる笑顔
「大和…好きだよ…」
「うん…なんか、照れるけど…
ありがと…紬…」
目の前で照れてる大和を見てたら
くすぐったかった
テレビで見た大和とぜんぜん違う
私が好きになった大和
ーーー
「大和…好きになってくれて、ありがと」



