恋愛経験0のイケメン俳優と恋をした件。(事件)


大和を拒否してた身体が

自然と背伸びしてた



「紬…」



大和が消えそうな声で私を呼んだ



ーーー



大和の唇がそっと触れた

震えてる?



少しだけしょっぱくて

目を開けたら

大和の涙だった



「大和…」



綺麗な涙



大和の頬を私の両手で包んだ



優しくて

いつも私を真っ直ぐ見てくれてる瞳



いつも私しか映ってない澄んでる瞳に

涙がいっぱい溜まってた



「紬…
仕事なら…また、来てくれるの…?
…
また、キスしてくれる?
…
仕事でもいいから…
オレのこと…好きでいて…」



私の手の中で大和が言った



今のは…

今のキスは…



「…ヤダ…
…
…
ヤダ…そんなの…
…
仕事じゃないもん…
…
大和が…好きだもん…
…
仕事なんかで、したくないよ…
…
大和が…
大蔵大和が…好きなんだもん」



大和

私はやっぱり大和が好きだよ



どんな大和も

好きでいるよ



大和が

私を好きでいてくれる限り



「紬…好き…
…
ホントに、オレ…
紬が…好きだから…
…
紬しか、見てないから…」



目蓋を閉じた大和の目から涙が溢れて



「うん…信じてるね」



開いた瞳には

また私が映ってた



真剣に好きって言ってくれる

大和を

信じようと思った



ーーー



どっちの涙だろう


口の中で混じり合って溶けた



「好き…大和…」



ーーーーー



しょっぱかった涙が甘く溶ける



流れなかった何かが流れていく



優しく離れて

また強く触れる



ーーーーー



「…ん…大和、強すぎるよ」



「ごめん…
…
紬…
…好きすぎる…」



好きすぎる…

大和のその言葉が嬉しかった



不器用なキス



スクリーンの中では

あんなにカッコよかったのに



看板の大和は

キラキラした笑顔だったのに



涙でグチャグチャになって

私を好きって言ってくれる



どんな大和も好き



こっちが本物の大和だよね



私しか知らない大和に

私は恋したんだ